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2026年6月13日
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ハサミは切断しているのではなく紙を引きちぎるせん断応力の物理学
私たちが日常的に使っているハサミですが、実は包丁やカッターナイフとは全く違う物理法則を使って物を切っています。包丁は一つの鋭い刃を対象物に押し当てて、くさびのように組織を割り開いていきます。しかし、ハサミの刃を指でそっと触ってみると、包丁ほど鋭く尖っていないことに気がつくはずです。ハサミが紙を綺麗に切ることができる本当の理由は、刃の鋭さそのものではなく、二枚の金属の板がすれ違う時に発生するせん断応力という物理的な力にあります。
せん断応力とは、物体に対してハサミの刃が上下から互いに逆方向の力を加えることで、物体をズレさせるように働く力のことです。二枚の固い刃が紙の表と裏から極めて近い距離で反対方向の力をかけると、紙の繊維はそのズレる力に耐えきれなくなって物理的に引きちぎられます。つまりハサミは、紙をスパッと切断しているのではなく、ミクロの世界で観察すると極小の幅で紙をちぎっている状態なのです。
もしハサミの二枚の刃の留め具が緩んで隙間が空いていると、このせん断応力が上手く働かず、紙が刃の間に挟まって折れ曲がってしまいます。二枚の金属がピッタリとすれ違うという極めて精密な構造こそが、ハサミの心地よい切れ味を生み出す最大の秘密なのです。

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